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地震後の近況のご報告と、中能登町での炊き出し実施について


この度の能登半島地震に際しまして、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
また、当方へも沢山のご心配、ご連絡をいただきありがとうございました。

震災から2週間。今年の初投稿として、一旦、震災発生からここまでを振り返ってみたいと思います。

まず、家族、親戚とも皆無事でした。これが何よりのことでした。金沢の自宅やお店は、室内がかなり荒れたものの、食器が割れた程度の被害で済みました。羽咋市と志賀町にある店主と妻の実家では、塀や灯篭が崩れたり、ガラスが割れたり、壁や地面にヒビが入ったり等の被害がありましたが、住めなくなるほどのものではありませんでした。

2日には実家から金沢に戻り、荒れた店内を頑張って片付けました。そして、当初の予定通り3日より通常営業を開始しました。もし、「金沢に行ってもどこもお店がやってない」という状況ではまずいと思いましたし、しっかりと経済を回して行くことが、大きな被害を受けた地域支える力の根源であり、無事だった私たちが自分たちのできる経済活動を行うことこそが、いまできる最大の被災地支援になるとの思いからでした。

当然のことながら、営業を開始したもののお客様は少なく、例年の10分の1程度しかお客様のご来店がありません。そのような苦境を、数人の知人友人に吐露していたところ、オンラインで販売している冷凍カレーのご注文をたくさんいただくことができました。

オンライン販売が増えたと言っても、通常の実店舗の売上には遠く及びませんし、この冷凍カレーの売れ行きも一時的ものでしょう。また、もしも冷凍カレーの注文を継続的にたくさんいただけたとしても、急速冷凍できるキャパが限られているので、オンライン販売だけでは結局、必要な売り上げをあげることはできません。

とは言え、このように冷凍カレーの販売を通して、直接的に支援をいただけることはとても恵まれており、働く場所や、住む場所までも失った被災者の皆さまのことを思えば、泣き言は言っておられません。むしろ、無事だった私達が被災地に対して何かしなくてはと、居てもたってもおられないような気持になり、炊き出しの実施を計画しました。

ただ、思いはあっても、こちらの提供できる数量や行けるタイミングと、受け入れ先のすり合わせはそう簡単ではありませんでした。支援の最前線にいる、大切な方の時間や能力を奪ってしまうことも懸念しながら、姉のつてを通じて恐る恐る声をかけました。1人目の方とは、うまくマッチングできず、申し訳ない気持ちで心が折れそうでしたが、あきらめず2人目の方にお声がけしたところ、すぐに炊き出しの受け入れ可能な避難所が中能登町に見つかり、役場の担当者をご紹介いただいて、日時もすぐに決定することができました。

そして、12日(金)に避難所2か所(当初3カ所を回る予定が、12日から2カ所に統合された)を回る形で、炊き出しを実施してきました。避難所への炊き出しは実は初めてでしたが、貴重な経験をさせていただくことができました。

沢山の方が感謝の言葉をかけてくださいましたが、一人のおばあさまは、私にこんこんと、「避難所では乾きものにお湯を注いで食べるような食事が多い。このカレーは、お米も本物で、お野菜も沢山入っていて、お肉も歯がなくても食べられるほど柔らかかった。このようにしっかりと栄養になって、身体を作ってくれるような食事はなかなかできない。ほんとに有難い。美味しかった。ありがとう。」というような内容を伝えてくれました。この1人のためだけでも、来てよかったと感動させられましたし、こちらこそ有難うという気持ちになりました。

元気な方は、被災した自宅の整理等、さまざまな用事で外出されている場合が多く、昼には避難所にいない場合も多いこともわかりました。日々の避難人数の変化や、お世話をしている職員やボランティアの方の情報は、現場と直接やりとりをするしなければわからないと思いますで、すべての方に十分に行きわたるような準備ができるよう(ちなみに、今回は避難人数が減っていたので十分にありました)、コミュニケーションをとらせていただこうと思っています。また、必要な物資等も直接お伺いして、集められればと思っています。

この炊き出しについては、普段のやり取りの中でポロっと数人に漏らしただけだったのですが、多くの反響と応援をいただき驚いています。沢山の皆さまが被災地に想いを寄せてくださっていることを実感し、そういった皆さまの想いも一緒に届けるような気持で炊き出しを実施させていただきました。

当店に想いを託してくださる多くの方の想いと、自分自身の想いも込めて、このような炊き出しを継続的に続けていきたいと思っています。物理的にも、経済的にも、体力的にも制約があるので、どれくらいの頻度で何回とお約束することは難しいですが、近い内にまたどこかで第2回を実施したいと思っています。

長文をお読みいただきありがとうございました。

※避難所の住民の方が映った写真や、被災された住居などの写真は、投稿を差し控えさせていただいております。(あ、一緒に写っているのは姉です。)